聖書と共に
さばきはかみに
２０２３年２月１９日 礼拝メッセージ要旨 「裁きは神に」 マタイによる福音書 13章 24-30節(マタイ講解42) 山田雅人
▼マタイ特有の記事である「毒麦のたとえ」。「種を蒔く人のたとえ」と同様、イエスに自身による解説(36〜43節)が記されているが、これもイエスの真正の言葉ではなく、マタイが付加したと思われる部分だ。ここには神による終末の裁きの有様が述べられている。しかし、元のたとえでは良い種を蒔いたはずの畑に毒麦が現れるのは、人々が眠っている間に敵が来て毒麦を蒔いたからで、主人や僕たちの責任ではないから、話の中心は30節の「刈り入れまで、両方とも育つままにしておきなさい」という主人の言葉にあろう。つまり「世の終わりに裁きがある」ということよりもむしろ、「今は裁かない」ということが述べられているのだ。
▼話の大筋は以下である−ある人の畑に、敵が毒麦をこっそりと蒔く。僕たちが気づき、すぐに刈り取ろうとするが、主人は収穫の時期を待つよう指示する。すぐに抜けば良いものも抜いてしまうが、生長しきった後なら完全に選り分けることが可能だからである。問題は「天の国は次のようにたとえられる」という、この話の中の何が「天の国」なのかということだ。
▼31節では天の国は「からし種」、33節では「パン種」である。これらを併せ読むと、世の終わりを示す刈り入れまでに至らない状態が「天の国」で、第２に「天の国」には良い麦と毒麦とが共存しており、第3に「天の国」はからし種のような目に見えないほど小さな状態から空の鳥が巣を作るほど大きくなり、第4に、粉に混ぜたパン種のように「天の国」は一部の人たちにしか見えないものである。ここから、マタイが語る「天の国」とは、終末における「神の国」というよりも、この世に存在している「教会」であることが分かる。
▼つまり、世の終わりまで、人間の判断で教会から毒麦を排除してはならないし、人間には良い麦と毒麦とを判別する能力も資格もない、ということだ。たとえの説明の39節には、選別するのは天使たちの役割だと記される。世の終わりが来れば、天使たちが判別し、毒麦を取り除いてくれる。従って、我々にとって最も重要なメッセージは、我々は決して天使たちの領域を侵してはならないということだ。
▼我々の周囲には確かに多くの悪が存在する。「悪は排除すればよい。犯罪は厳しく取り締まり、悪人を社会から抹殺すれば良い社会が来るはずだ」という考え方もある。教会の中でも「毒麦を抜き取り、罪人をすべて排除すれば聖なる教会ができるはずだ」という誘惑があるかもしれない。しかし、本当はそうではないし、そうであってはならぬことを「毒麦」のたとえは語っている。抜き取るのは、裁くのは神ご自身だからである−「ですから、主が来られるまでは、先走って何も裁いてはいけません。主は闇の中に隠されている秘密も明るみに出し、人の心の企てをも明らかにされます」(�汽灰螢鵐�4:5)。
▼話の大筋は以下である−ある人の畑に、敵が毒麦をこっそりと蒔く。僕たちが気づき、すぐに刈り取ろうとするが、主人は収穫の時期を待つよう指示する。すぐに抜けば良いものも抜いてしまうが、生長しきった後なら完全に選り分けることが可能だからである。問題は「天の国は次のようにたとえられる」という、この話の中の何が「天の国」なのかということだ。
▼31節では天の国は「からし種」、33節では「パン種」である。これらを併せ読むと、世の終わりを示す刈り入れまでに至らない状態が「天の国」で、第２に「天の国」には良い麦と毒麦とが共存しており、第3に「天の国」はからし種のような目に見えないほど小さな状態から空の鳥が巣を作るほど大きくなり、第4に、粉に混ぜたパン種のように「天の国」は一部の人たちにしか見えないものである。ここから、マタイが語る「天の国」とは、終末における「神の国」というよりも、この世に存在している「教会」であることが分かる。
▼つまり、世の終わりまで、人間の判断で教会から毒麦を排除してはならないし、人間には良い麦と毒麦とを判別する能力も資格もない、ということだ。たとえの説明の39節には、選別するのは天使たちの役割だと記される。世の終わりが来れば、天使たちが判別し、毒麦を取り除いてくれる。従って、我々にとって最も重要なメッセージは、我々は決して天使たちの領域を侵してはならないということだ。
▼我々の周囲には確かに多くの悪が存在する。「悪は排除すればよい。犯罪は厳しく取り締まり、悪人を社会から抹殺すれば良い社会が来るはずだ」という考え方もある。教会の中でも「毒麦を抜き取り、罪人をすべて排除すれば聖なる教会ができるはずだ」という誘惑があるかもしれない。しかし、本当はそうではないし、そうであってはならぬことを「毒麦」のたとえは語っている。抜き取るのは、裁くのは神ご自身だからである−「ですから、主が来られるまでは、先走って何も裁いてはいけません。主は闇の中に隠されている秘密も明るみに出し、人の心の企てをも明らかにされます」(�汽灰螢鵐�4:5)。
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投稿日：2023年12月14日() 閲覧回数：27