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よきおとずれをつたえるものよ

「良きおとずれを伝える者よ」 イザヤ書40章1〜11節 山田 雅人

▼母がペンテコステの翌日、87歳で亡くなった。約10年前、牧師であった父はクリスマス前に意識不明となり、年末に74歳で亡くなった。両親とも、牧師である3人の息子に各々の教会での大切な礼拝と働きを全うせよとの思いで頑張ってくれたように思い、神の摂理を思う。父は聖書の言葉で、母は自然を支配したもう神の働きを説くことで、子らにイエスの福音、神への信仰を伝承してくれた。
▼「福音」(良い知らせ)という言葉の原型は、当該箇所イザヤ書40章の「良い知らせを伝える者」である。遡ってサムエル記では、敵の王を討ち取った兵士たちがその首と武具を奪い、使いの者を送って戦争の勝利を伝える記事の中に「勝利を伝える」という意味で出る。詩編では、神が女性の伝令を使ってイスラエルの勝利を歌わせる「女伝令」という名詞で現れる。つまり「福音」の語源は「良い知らせを伝える者」〜「勝利を伝える」〜「伝令」という言葉に行き当たる。新約に「福音」という言葉がもたらされたのが、イエスという伝令によって勝利がもたらされたと考えると、頷ける歴史解釈である。
▼同じイザヤ61章1節以下は、イエスの公の活動の集約と言える、彼の生涯を決定づけた予表の箇所だ。バビロン捕囚時代の人々への救いの告知、捕われ人の解放の告知を、イエスは自分の生きていた時代の捕われ人に重ね合わせ、自ら「良い知らせを伝える者」としてその活動へと踏み出して行った。イエスの時代の捕われ人とは、「罪人」というレッテルを貼られ、律法を守る者のみが救われるというユダヤ教律法主義社会からつまはじきにされた「地の民」と呼ばれる社会的弱者たちだ。イエスはこうした人々の所に神が自分を遣わそうとしているのだと確信し、彼らと共に生きる決意をしたのだろう。
▼イエスの伝えた良い知らせ=福音とは、人が無条件で神によって生かされ、等しく愛されている存在であるということであった。「真理は人を自由にする(ヨハネ8:32)」と語られるように、この真理たる福音こそが、人を真の意味で自由にする。なぜならそれは、神という最も大いなるものに捕らえられているということだからだ。捕われ人が不自由なのは、最も大いなるものに捕らえられていないからだ。神に捕らわれている者は、この世の何ものにも捕らわれる必要はないということを知らせるために、イエスは宣教活動を開始したのではなかったか。
▼「いかに美しいことか 山々を行き巡り、良い知らせを伝える者の足は。彼は平和を告げ、恵みの良い知らせを伝え 救いを告げ あなたの神は王となられた、とシオンに向かって呼ばわる」(52:7)―良い知らせを伝える「伝令」の足は、山々を行き巡って来たのだから土や埃りにまみれているはずが、その足は「美しい」と言われる。土や砂利や石畳の道を草履で歩くイエスの時代、日常的に足は真っ黒だったろう。しかし、呼び求める人の所に向かい、寄り添い、自分の時間を使ったその足は、他者に対する愛ゆえに神の祝福があり、だからこそ「美しい」と言われるのだ。
▼弟子たちの足を自ら洗い、彼らにも互いに足を洗うように言ったイエスは、福音に与かった我々をも「良い知らせを伝える者」として遣わされる。自分の足を汚さず、綺麗な足で福音を伝えるのでなく、足を使わず、高い所から説教を垂れるのでもなく、専ら人に足を洗わせるような福音伝達者でもなく、イエスが弟子の足を洗ったように、我々も神と人に仕える「良い知らせを伝える者」でありたい。私事だが、そんな両親の生き様を継承した者として、私もまた福音を周囲の隣人に継承する者でありたい。

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