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まだしんらいがないのか
２０２２年９月１８日 礼拝メッセージ要旨 『まだ信頼がないのか』 マタイによる福音書 ８章 ２３〜２７節（マタイ講解�粥法〇嚇腸躾�
２０２２年９月１８日 礼拝メッセージ要旨 『まだ信頼がないのか』
マタイによる福音書 ８章 ２３〜２７節（マタイ講解�粥法〇嚇腸躾�
▼「嵐静めの物語」は、よく知られた奇跡物語で、これまでも様々に解釈されてきた。ただこの話は必ずしも真新しいものではなくて、既に旧約聖書の中に似たような記述が見られる−「あなたは誇り高い海を支配し、波が高く起これば、それを静められます」(詩編89:10)、「主は嵐に働きかけて沈黙させられたので、波はおさまった」(107:29)。こうした神の姿がイエスの姿と重ねられているのだろう。
▼直前の18節以下では、イエスに従うことの厳しさと弟子の覚悟について語られている。その「従う」というテーマを受け、当該箇所ではまずイエスが先に舟に乗り込み、その後を弟子たちが「従った」(23節)と記される。だが、弟子たちは信仰のおかげで常に平穏無事に過ごせるというのではなく、かえって彼らはイエスに従ったために危険な目に遭遇せねばならないことが記される。その意味で、イエスと弟子たちが乗り込む「舟」は、教会を比喩的に表現している。
▼一世紀末のマタイの教会は、ドミティアヌス帝による迫害や、ユダヤ教からの組織的な圧迫に苦しんでいた。そんな教会を守って下さるイエスの絶対的な力に信頼するようにと、マタイは読む者に訴える。「信仰の薄い者たちよ」(26節)はマタイ独自の表現だが、この言葉にはイエスに従いながらもなお一歩信仰の足りないことを見抜き、信徒を励ます意味が含まれている。彼らは「主よ、助けてください」(25節)と祈り、イエスに救われるが、驚いて「いったいこの方はどういう方なのだろう」(27節)と、まだ彼らのイエス理解は驚きと疑問に留まっている。これは同じ湖の上をイエスが歩く奇跡物語(14:22-33)の場面で、最後に彼らが「本当に、あなたは神の子です」と告白する信仰に至る伏線になっている。
▼我々は、弟子たちがそうであったように、イエスが共にいることを繰り返し忘れ、慌て、不安に捉われ、何ものかを恐れる存在だ。この物語の何が奇跡か、それは、「弟子たちが自分たちと共にイエスがおられることを認識したとき、嵐は静まった。弟子たちには未来の嵐に対する恐れまでもなくなった。イエスと共なる航海は、嵐の中でさえ平安に航海することなのだ」：この出来事がただ一度だけ起こった出来事ではなく、今もなお起こり、我々にとっても起こり得るものだということだ（最近、友人の牧師夫妻が娘さんを「凪」ちゃんと名付けているのを知りました）。
マタイによる福音書 ８章 ２３〜２７節（マタイ講解�粥法〇嚇腸躾�
▼「嵐静めの物語」は、よく知られた奇跡物語で、これまでも様々に解釈されてきた。ただこの話は必ずしも真新しいものではなくて、既に旧約聖書の中に似たような記述が見られる−「あなたは誇り高い海を支配し、波が高く起これば、それを静められます」(詩編89:10)、「主は嵐に働きかけて沈黙させられたので、波はおさまった」(107:29)。こうした神の姿がイエスの姿と重ねられているのだろう。
▼直前の18節以下では、イエスに従うことの厳しさと弟子の覚悟について語られている。その「従う」というテーマを受け、当該箇所ではまずイエスが先に舟に乗り込み、その後を弟子たちが「従った」(23節)と記される。だが、弟子たちは信仰のおかげで常に平穏無事に過ごせるというのではなく、かえって彼らはイエスに従ったために危険な目に遭遇せねばならないことが記される。その意味で、イエスと弟子たちが乗り込む「舟」は、教会を比喩的に表現している。
▼一世紀末のマタイの教会は、ドミティアヌス帝による迫害や、ユダヤ教からの組織的な圧迫に苦しんでいた。そんな教会を守って下さるイエスの絶対的な力に信頼するようにと、マタイは読む者に訴える。「信仰の薄い者たちよ」(26節)はマタイ独自の表現だが、この言葉にはイエスに従いながらもなお一歩信仰の足りないことを見抜き、信徒を励ます意味が含まれている。彼らは「主よ、助けてください」(25節)と祈り、イエスに救われるが、驚いて「いったいこの方はどういう方なのだろう」(27節)と、まだ彼らのイエス理解は驚きと疑問に留まっている。これは同じ湖の上をイエスが歩く奇跡物語(14:22-33)の場面で、最後に彼らが「本当に、あなたは神の子です」と告白する信仰に至る伏線になっている。
▼我々は、弟子たちがそうであったように、イエスが共にいることを繰り返し忘れ、慌て、不安に捉われ、何ものかを恐れる存在だ。この物語の何が奇跡か、それは、「弟子たちが自分たちと共にイエスがおられることを認識したとき、嵐は静まった。弟子たちには未来の嵐に対する恐れまでもなくなった。イエスと共なる航海は、嵐の中でさえ平安に航海することなのだ」：この出来事がただ一度だけ起こった出来事ではなく、今もなお起こり、我々にとっても起こり得るものだということだ（最近、友人の牧師夫妻が娘さんを「凪」ちゃんと名付けているのを知りました）。
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投稿日：2023年2月15日() 閲覧回数：346