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しんこうのしょうがい

出エジプト記 2章 1〜10節 「信仰の生涯」 2018.10.14

▼モーセの誕生に際し、出エジプト記は数人の女性たちの信仰に基づいた果敢な行動を記す。エジプトでイスラエルの民の力が強大になることを恐れたファラオが、二人のヘブライ人助産婦を呼び、ヘブライ人家庭に男の子が生まれたら殺せと命じる。だが彼女たちは絶対権力者ファラオの命令には従わず、生まれた男の子を生かしておく。バレたら殺される命がけの抵抗に、「神はこの助産婦たちに恵みを与えられた」(1:20)。
▼当該2章では、モーセの母ヨケベドもファラオの命令に背き、ナイル川に捨てなければならない赤子のモーセを隠して三ヶ月間育て、もはや隠せなくなるとアスファルトとタールで防水加工したパピルスの籠に息子を入れ、ナイル川の葦の茂みに隠す。そこに水浴びをしに、エジプトの王女が現れる。彼女は籠の中に泣いている赤ん坊を見つけ、憐れみの目で見つめる。ここにすかさずモーセの姉ミリヤムが近づき、良い乳母がいますからと自分の母を紹介する。こうしてモーセは元通り、実母の乳を飲んで育ち、やがて王室の子供として引き取られることになる。
▼このように、モーセの誕生と成長には二人の助産婦たち、エジプトの王女とモーセの姉と母という女性たちの、機転と機知があった。彼女たちに共通するのは、この世の不条理には恐れることなく抵抗し、彼女らが畏れる神の目に正しいと思うことは疑わずそれを信じ、行動に移したことである。こうして、エジプトで奴隷生活を強いられていたイスラエルの民は、世の権力を恐れず神を畏れた、一握りの女性たちの信仰によって、最終的には指導者モーセによる出エジプトへの道を歩み抜くことができたのである。
▼「見よ、主は御目を注がれる 主を畏れる人、主の慈しみを待ち望む人に」(詩33:18-19)―注がれる御目は抽象的なものではなく、我々の具体的な生活の中で体験される。聖書は我々に、どのような時でも神の言葉に聞き従えるか、その信仰を問う。神を疑わず、この世を恐れず、神の救いの宣言に畏れをもって身を委ねることのできる、信仰の生涯を全うしたいものである。
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